建物の安全性を守る、タイルデッキ施工の工夫│有田川町O様邸
設計の金岡です。
有田川町のO様邸にて、中庭のタイルデッキ工事が完了しましたので、確認に行ってきました。

タイルデッキの長所と設計上の留意点
「タイルデッキ」とは、屋外の床をタイルで仕上げたスペースです。
ウッドデッキと比較した場合、耐久性・耐候性に優れ、日々のメンテナンスが容易な点が長所です。また、意匠性が高く、住まいに上質な雰囲気を与えてくれます。
一方で、設計時には注意すべき点もあります。

通常、土台をコンクリートブロック等で造る際、外壁の通気層を確保するため「水切」より下側で施工する必要があります。しかし、これではリビング床面との高低差が大きくなってしまいます。
また、建物の基礎にデッキを密着させると、雨水が建物に悪影響を及ぼす懸念もありました。
グレーチング設置による通気・排水の確保
そこで今回は、建物の基礎とタイルデッキの間に隙間を設け、「グレーチング(溝蓋)」を設置する納まりを採用しました。


これにより、通気と排水の両方を確実に確保しつつ、タイル面をリビングの床高に近いレベルまで上げることができました。結果として、出入り時の段差も小さく、安全で使いやすいデッキになっています。
このグレーチングを使った工法は、以前参加したエクステリアセミナーで学んだもので、ぜひ採用したいと考えていました。 これからも新しい知識を積極的に取り入れ、お客様へより良い技術をご提案できるよう努めてまいります。
一級建築士 金岡


