縄文杉に会いにいく

新緑の美しい季節になりました。私は若緑色の新芽が雨に濡れている景色が一年で一番好きです。

 3月下旬、休暇を利用して屋久島の縄文杉へのトレッキングツアーに行ってきました。10年ほど前、屋久島の登山に行ったことはありますが縄文杉は見れなかったのでいつかは訪れたいと思っていました。バスで行ける登山口から歩いて往復22キロ、約10時間のコースです。元気なうちに行っておかないと二度と行けなくなると思い挑戦することにしました。

 縄文杉は高さこそ強風に折られて30mですが推定樹齢3,000年〜7,000年と生命体とは思えない時間を経てきた神々しい塊としてそこにありました。

 惜しむらくは保護のため10m以上離れた観覧デッキからしか観れなかったことです。触ってみたい、抱きついてみたいという願いは叶いませんでしたが、自然の凄さは実感できました。

この屋久島登山の直後、所用で東京へ行きました。不便だけど自然が豊かな離島と分単位で交通機関が行き交う便利な大都市。人間にとって本当に便利なのはどちらかなあと考えてしまいました。            

-ORINAS MAGAZINE2023年6月号より-

記事一覧へ戻る