そこに山がある


30年ほど前に大阪から帰ってきたばかりの頃、春から初夏にかけて山の木が芽吹いてもりもりと湧きあがっているのを見て驚いた記憶があります。高校生までいつも見ていたはずですが、当たり前の風景でなにも感じませんでした。今でもこの時期の山をみるとワクワクします。

 

先日近場を楽しもうと、妻と高野山に登るコースを歩いてきました。
九度山駅の近くに車を停めて慈尊院からスタートです。そのまま高野山の大門まで登るとほぼ20キロのコースになりますが、今回は途中から南海高野線の上古沢駅まで降りて、電車で九度山駅まで戻るハーフコースにしました。
山道の登りは私にとっては厳しいですが、古くから高野山への正式な参拝ルートだったそうで昔の人の足跡を辿る興味もあり楽しい道のりでもありました。
高野山町(ちょう)石(いし)道(みち)と言って109メートルごとに石の道標が立っています。その石に刻まれた数字が山頂に向けてだんだん小さくなっていくのが楽しみで足の痛みも忘れて歩くことができました。

密にならずに気軽に楽しめるところと選んだ山歩き、普段はインドア派の私でも日常のことはすっかり忘れてスッキリできました。次回は残りの半分にトライしたいと思います。

-ORINAS通信 2021年7月号より-

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