中古住宅の資産価値
スウェーデンでは中古住宅が新築よりも高く売れる!?
30年ほど前の話ですが、スウェーデンの住宅を輸入販売していた友人から、面白い話を聞きました。スウェーデンでは、築30年ほどの中古住宅が、新築よりも高く売れるというのです。
その理由は、主な建材であるパイン材が、30年ほど経つと美しい飴色になり、独特の風合いが出るからだそうです。
当時の日本では、築30年の中古住宅はほとんど価値がないと思われていたので、この違いにとても驚きました。
もちろん、この背景には、スウェーデンの住宅が30年以上前から高い耐震性や断熱性を備えていたという事実があります。
日本の住宅性能
一方、日本の木造住宅の耐震性が一定の基準に達したのは、阪神淡路大震災から5年後の2000年です。この時に、建物の強度を高めるための金具の基準が見直されました。
つまり、この25年間に建てられた住宅は、概ね耐震性を持っていると考えて良いでしょう。(ただし、断熱性能については、まだ改善の余地があります。)
資産価値が上がる住宅
このような状況の中、日本でもようやく中古住宅市場が活発になりつつあります。これからは、単に安いだけでなく、性能がしっかりしていて、内装や設備もきちんと手入れされた中古住宅が、その価値に見合った価格で取引される時代になるでしょう。
35年の住宅ローンが終わった時に、家の価値がゼロになるのではなく、むしろ資産価値が上がり、老後の資金準備にも役立つ。そんな時代が来ることを願っています。
-ORINAS MAGAZINE2025年5月号より-