平屋について考える

先日、平屋の完成見学会を開催しました。
今回はそこでほぼ二日間過ごして気づいたことを書かせていただきます。

このお家は約30坪。
けっして大きな家ではありません。
しかし、訪れた方はほとんど「これで十分だなあ」という感想でした。
どうしてだろうかと考えてみました。

常々私は2階建の問題点として1階と2階が空間的に分かれてしまって家族が集まるリビングと2階の個室が気持ち的に遠くなると感じていました。
そこで、その解決策として吹抜けを設けて空間的に繋げることをお勧めしています。
ただしこれは1階と2階に分かれてしまったことをなんとか解決しようとするための手段です。

今回私が感じたことは平屋では階段も吹抜けも必要なかったという当たり前の事実です。
リビングルームからつながる個室、その他トイレ、お風呂へすぐに行けてしまいます。
2階建ての時必要な吹抜けや階段に5坪ほど取られてしまいます。
おまけにトイレは2ヵ所。それが平屋では要らなくなります。
平屋で30坪の家は2階建ての35坪以上の家に相当する「広さ」を持っているということです。

平屋が実現するバリアフリーとは段差の無い物理的バリアフリーだけではなく家族のコミュニケーションのバリアフリーでもあるのです。
しかもそれをよりコンパクトに実現できています。

-ORINAS MAGAZINE2024年7月号より-

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