住まいの気密を考える

今月は住まいの省エネ・快適に大いに関係のある気密についてお話しします。
弊社では25年前から高気密・高断熱に取り組んできました。
しかし、恥ずかしい話ですが私自身当初から気密の重要性に気づいていた訳ではありません。

気密の重要性

高気密住宅のデメリットとして新鮮な空気を取り入れるために換気システムを取り入れる必要があります。
気密性能を落として自然に空気が入れ替わる仕組みがないものかと考えてみました。
しかし、自然に空気が入れ替わるというのは単に隙間風が入ってくるということです。
冬であればせっかく温まった空気を冷やしてしまうことになります。
また、冷たい空気は重いので下に降りてしまい、足元が冷える原因になります。

つまり、低気密・高断熱の室内はしっかりしたダウンジャケットを羽織ってフロントのジッパーを閉めていない状態と同じです。
ジッパーを首まできちんと閉め、袖元などもきっちり絞って隙間風が入らない状態になって初めて保温が効くようになります。

※高気密の空間では計画換気によって換気量をコントロールしやすくなります。一般的に2時間に1回家全体の空気が入れ替るように設計されています。

一棟一棟の気密測定

断熱性能は設計段階で性能が計算できます。
しかし、気密性能は施工の精度によるところが大きいのでその判定は現場に機械を持ち込んで測定しなければなりません。
私たちが高い気密性能を保証する裏には、現場での丁寧な作業と一棟一棟の気密測定があるのです。

 

-ORINAS MAGAZINE2025年1月号より-

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