サグラダファミリアに想う
スペインのバルセロナで建築中の教会、サグラダファミリアの話です。
その特異な形は決して奇をてらったものではなく建築家ガウディの信仰とスペインカタルーニャ地方の伝統とが融合したものです。
私は1979年、学生時代の貧乏旅行で初めてそこを訪れました。
当時はまだ知る人も少なく、出来ていたのはごく一部で、資金不足の為全体の完成まで300年はかかると言われていました。
それでも結構大きくて、私はこれを発想した人と作り続けてきた人々の信仰のエネルギーに圧倒されました。
計画にある巨大な大聖堂は生きているうちには見れないのだろうなあと残念に思った記憶があります。
その後1990年にも新婚旅行で再訪しましたが1回目の訪問から10年が経過してそんなに工事が進んだイメージはありませんでした。
▲1990年頃の絵葉書
ところが最近、その大聖堂が2026年(ガウディ没後100年の年)に完成予定と発表されました。
これはサグラダファミリアが世界的に有名になり観光収入で資金が確保できたこととコンピューターの発達により建築技術が進歩したからだそうです。
今ではサグラダファミリアは日本でも有名になり、昨秋佐川美術館で開催された「ガウディとサグラダファミリア展」は学術的な地味な展示にも関わらず大変な盛況でした。
この教会の建築に半生を捧げたガウディの生き方に人々が心を打たれるのだと感じました。
-ORINAS MAGAZINE2024年5月号より-