地震に備える
能登地方を襲った大地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
私の経験で大きな地震と言えば29年前の阪神淡路大震災です。
学生時代を過ごした神戸は第二の故郷のような街ですが大きく変わってしまいました。
震災当時、お世話になった方々への救援として神戸の被災地に通い現場をつぶさに見てきました。
公式には1981年の耐震基準の引き上げ以降建築された住宅は被害が少なかったという発表でした。
ただ、実感としては建物は倒壊していなくても内部の損傷がひどかったりとそれなりに被害は見受けられました。
阪神淡路大震災の数年後、構造材の繋ぎ目に使う金物の強化等の基準の改正があったのは震災の結果を踏まえてのことだと思います。
国の住宅性能表示制度では耐震等級1とは数百年に一度のまれな大地震(震度7程度)に倒壊しないこととなっています(建築基準法の許容レベルと同じ)。
耐震等級2はその1.25倍。
耐震等級3は1.5倍となります。
耐震等級2や3の強度のゆとりはより大きな地震に耐えられるということですが、大地震の後に来る大きな余震に耐えられることも大きな効果です。
実際、2016年の熊本では震度7の地震が2回襲い、建物の被害を大きくしました。
地震対策はこれで充分というというレベルはありませんが、諦めずに少しでも安全側(強度を上げる)に補強しておくことが大難を小難に小難を無難に変える考え方だと思います。
-ORINAS MAGAZINE2024年3月号より-